クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
『山田くんが好きすぎて困るんですが!!』
『勝手に困ってて』
今まで、ずっとこんなんだったのに。
今、照れるって言ってくれた。
……これ以上に、幸せなことってないかもしれない。
「待って!あたしも戻ります!」
慌てて山田くんの後を追い、隣に並んでエヘッと笑ってみせた。
山田くんは『…現金な奴』とボヤきながら、柔い笑みを浮かべて頭をポンポンて撫でてくれたんだ。
もう、頭一生洗いたくないっ!
――――ガラッ
「……あ」
「……」
ドアを開けた向こう側。そこには伊吹先輩と要くんが居た。
伊吹先輩と山田くんの視線が交わり、気まずい雰囲気が流れる。
まさか、居るなんて思わなかった。
伊吹先輩怒ってるよね。あたしが奪ったも同然だし……。