クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「…頑張って、ね」
震える指先でキュッと、山田くんの体操着の裾を掴んだ。
あたし絶対顔真っ赤。どこ見ていいか分かんないもん。
……俯いてると、全身にドキドキって伝わるんだな。
何だか、このまま離れたくないよ………。
「…ん。負けないよ」
――――ドキンッ。
少し驚いた顔をした山田くんは、そう言うとフッと笑みを零してあたしの頭を撫でた。
瞬間、これまで以上に心臓が暴れ出して。
山田くんの笑みに見つめられた顔は、簡単に茹でダコを抜いて。
あたしが茹でられたみたいに、頭から煙が出てしまった。