クールな彼が好きすぎて困るんですが！！

「…うぇ～ん…っ」



まるで赤ちゃんみたいに、痛くもないのに涙が溢れる。


ボロボロ流れて、床に水玉模様が広がってゆく。



山田くんが……勝ったんだ……。


よかった、よぉー……。





「…また泣いてるし」



上から降って来た大好きな声……。


ふっと暗くなった視界にゆっくりと顔を上げると、そこには微笑む山田くんがいたんだ。




「やっ…まだ…くぅ～ん…」


「ふっ。すごい顔だね」



そう笑いながら、しゃがんであたしと同じ目線になる。


伸びてきた山田くんの綺麗な指が、あたしの涙を優しく拭ってくれた。




「一日でどんだけ泣くの」


「…だ、だって…っ」


「ん、ごめんね。でも勝ったから」


「…っうん」



鼻をすすりながら頷いたあたしに、山田くんは柔く微笑みかけてくれた。