クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
海へは電車で8駅ほど。
ハイテンションな女子グループは、我先にと電車に乗り込む。
「空いててよかったね~」
「ほんと、みんな座れるとかツイてる~♪」
電車の中はほとんど人がいなくて、みんなそれぞれ座れたようだ。
山田くんの横に…と思って踏み出した足は、美喜ちゃんに掴まれた腕で一歩以上進ませてもらえませんでした。
「美喜ちゃん?あたし山田くんの横にいきた…」
「うん、女子はこっちよ」
「でも山田くんの隣にね?座りたいというか…」
「うん、もううちの彼氏が座ってる」
なに!?
美喜ちゃんの笑顔に促され山田くんの方を見ると、確かについさっきまで空いていた山田くんの隣には美喜ちゃんの彼氏さんが!
ガガガガーン!!(運命風)
「ほら、諦めなさい!女子はこっちで恋話するの!」
「うぅ…山田く~ん…」
ずるずると引きずられ、あたしは六花ちゃん達の待つ車両へ連行された。