クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


だって、裸がね!?




「おい立本ー?」




少しずつ近付いて来る松川くん。


あぁあ~…そんなに来たらあきません!




「ご、ごめんなさい。直視出来ません」


「え?何で?」


「…………裸、見れないんす」


「…え、マジで?」


「…本気と書いてマジと読むぜ…」




あたしもね、もう夢であってほしいよ。

いっそのこと裸大好きくらいになりたかったよ。




縮こまるあたしに、少しの間の後、松川くんの吹き出しが待っていた。




「…ぶっ。じゃあ何で海来てんだよ!立本アホすぎる~っ!」


「んなっ…!!ひ、ひどいっ」




誘われたんだよ!ついでに自分の弱点忘れてたんだよ!


思い返してみるとやっぱりアホだけどな!




「そんな笑わなくても!」


「くっくっくっ……た、立本…アホ…」


「アホ言い過ぎだ!」




まったく失礼しちゃう。


……でも、ずーーーっと笑ってる松川くんに…………本の少し、安心した。



球技大会以来……よそよそしかったのは事実。




『約束通り、立本を諦めるから』



あの日、松川くんは山田くんにそう言った。



あたしの耳元で、


『よかったな』


そう囁き微笑みながら。





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