クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
花火とキス。
夜、みんなで花火をするため着替えて再び海へと向かった。
夜の海は昼間とは違い、静かに響く波の音が全てを呑み込むような黒い海に消えてゆく。
空に瞬く星たちが海に映り、まるで空が2つあるみたいだ。
「柚希、ロウソク立ててー」
「はーい」
砂を盛り上げた天辺に太いロウソクを一本差すと、美喜ちゃんが火を着けた。
ぽわっと灯った控え目の灯りが、あたしと美喜ちゃんの笑顔を柔らかく照らし出す。
「火着けたよー」
「ありがとー!さ、みんな、花火やろ!」
伊吹先輩の一言に、みんな花火を持ち火を着けた。
シュワッという軽やかな音とともに、辺り一面鮮やかな色に包まれる。
「キレー!ヤバーイ!」
「夜の海サイコー!」
ふふっ。あたしもやろーっと!
「見て見て~!両手花火ぃ~っ!」
言葉の通り、両手に持った花火を高く掲げながら声を張り上げた。
「きゃーっ!ちょっと、柚希来ないでよー!」
「危ないからー!」
ふざけて美喜ちゃん達の方へ駆け出すと、キャーキャー言いながら逃げ回る始末。
でも笑顔で溢れてる。女子組はいつでも元気だ。