クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「あははっ!柚希ちゃんさすがだわ」
「でしょ!?要くんもやろーよ!楽しいよ!」
「えっ?ちょっ…」
要くんの腕を引っ張り火の着いた花火を二本持たせると、どうやら要くんもスイッチが入ったようだ。
「おらー!」
「うおっ。こっち来んな伊藤!」
「火花かけたらマジで怒るよ」
追い掛ける要くんを交わしながらも毒舌な山田くん。
どうやら要くんは山田くんを諦め、松川くんと翼くんにターゲットを移したようだ。
「待てー!」
「あっ!お前不意打ちはなしだろー!」
「松川、やられたらやり返せ!」
『あははははっ!』
はしゃいでじゃれ合う男組に、女子は大笑い。
いやーっ!花火持つ山田くん可愛すぎー!
「ねぇねぇこれやろ!ロケット花火!」
「おっ。いっすねー」
「じゃあ要くん火着けて!」
「えぇっ?俺ですか?」
「だって私、怖いんだもーん」
「ふっ。何ですかそれ。わかりました、ほら。ライター貸してください」
目の端で、楽しそうに話す要くんと伊吹先輩の姿が映る。
要くんは小さく笑みを零すと、伊吹先輩の手からライターを受け取りササッと火を着けてしまった。
瞬間、ジュワッ!と鳴ったと思うと、ヒューッ!っと途端に大きな虹色の光が降り注いだ。