クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


「…っ」



カァーッと一気に赤く染まった頬。


恥ずかしくて、両手で顔を隠すと俯いた。


そして気が付いた。あたしの線香花火、完全に消えてる。



「…や、山田くんズルい…っ」



振り向けば、山田くんの花火はついている!



「そう?あんたが油断してるから悪いんだよ」



涙目で睨むあたしに、山田くんはそう言って笑った。


うっ…悔しい。そんな無邪気に笑われると、怒れなくなるじゃないっすか。



う~っとうなりながら顔をペシペシ叩いて、うるさい心臓を誤魔化そうと必死になっていると。




「…あ、花火終わっちゃったー?」



みんなも終わったのか、戻って来る伊吹先輩が尋ねる。



「あっ、山田くんスゴい!線香花火!」


「…ん?あ、ほんと!」



まだ続いてる山田くんの線香花火に、六花ちゃんと伊吹先輩が食い付く。


あたしだって、あたしだってもしかしたらね!?



「聖器用だねぇ~」


「わたしこんなに続かないや」



ううっ…山田くんめ!


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