クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
真実
その日山田くんから来たメールは、【ごめん】の一言で。
もう理由を話す余裕さえ、あたしは奪ってしまったのだろうか。
そりゃ、あんな風に怒鳴られたら誰でも気力を無くしてしまう。
説明したって信じてもらえない相手に、事情を話してくれる訳がない。
自業自得だけど、自分勝手だけど、悲しかった。
今さら後の祭りだけど、もう、嫌われた。
「…柚希?」
ハッとして顔を上げると、心配そうに覗き込む美喜ちゃんがいた。
あ…今お昼休みだっけ。
「柚希大丈夫?元気無いけど…」
「うん、大丈夫!ごめんね!」
あははっと笑い飛ばし、コンビニパンを頬張った。
瞬間、甘い甘いクリームが溢れ出し、ポトッとスカートの上に落ちてしまった。
「ちょ、柚希零れてる零れてる!」
「…へ?あー、ほんとだ。ダメだねーあたし…」
スカートに落ちたクリームの上から、あたしの涙が染みを作る。
堪えようと俯いたまま、しばらく声が出なかった。
「柚希、やっぱり大丈夫じゃないじゃない。話せ。これは命令」
涙で歪む視界の中、力強い美喜ちゃんの声が響いた。
そっと顔を上げると、ふっと美喜ちゃんが笑みを零した。