クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


「…うわっ!ビビった。立本何泣いてんの?」


「……へ?」



突然降って来た声に視線を向ければ、そこには松川くんと六花ちゃんが立っていた。



「目にゴミという名の敵が入った」


「どんなことだ」



今日もツッコミ絶好調な松川くん。隣で六花ちゃんがクスクスと笑っている。


あれ、二人が一緒なんて珍しいな。



「二人はどこ行ってたの?」


「俺は昼練。六花ちゃんとはそこで会ったんだ」


「あぁ、そういやぁあんた副部長だったっけね」


「おい、そこは覚えてろよ熊谷」



ズバッと毒を吐く美喜ちゃんに、松川くんは眉を下げて苦笑いした。


不思議だ。みんなといると、心が少しだけ軽くなる。


しばらく雑談した頃、思い出した様子で松川くんがあたしを見た。



「あ、そういえば立本に聞きたいことがあったんだ」


「なんでしょうか?」


「お前、山田と何かあった?」


「……え?」



ドクン、と、心臓が鈍い音を立てた。

真っ直ぐに見つめる松川くんに、あたしは目を泳がせる。



「…ケンカ、した」


「…あー…だからか」



え?


やけに納得したような声が届いて。

松川くんは腕を組んで椅子にもたれながら苦笑いを零していた。


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