クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


「…大丈夫だから、大したことないし」


「でも…っ血が滲んでるんだよ…?」


「…こんなケガより、あんたが泣く方がキツいんだけど」



え……?

小さく呟かれた言葉に顔を上げようとした瞬間、グイッと腕が引っ張られあたしは山田くんの腕の中に収まった。


山田くんの体温が伝わって、そのことにもまた涙が出る。



「…ごめんね、日曜日」



消えそうなくらい小さな小さな声で、山田くんが言う。

もうそんなこと、どうでもよくなっていた。



「…あたしこそごめんね山田くん…。信じなくて、疑って……傷付けてごめんなさい」



そう言うと、山田くんの腕が一層強くなった。



「…何であんたが謝んの。俺が悪いんだよ」


「違う…あたしが悪いんだよ」


「…俺が悪い」


「あたし」


「俺」


「あたし!」


「俺だって」


「あーたーしー!」


「…もう止めよ。切り無いから」



そう、ですね。

腕が緩み視線が絡まると、二人同時に笑みを零した。



「あははっ!お互い様だ!」


「…ほんと、あんたといると自分がバカバカしくなる」


「えっ!?山田くんはバカじゃないよ!」


「…ふっ。だから、そういうとこだよ」



山田くんが、また笑って。

もう一度、抱き締め合った。


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