クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「ほら、あなたがだらしない格好してるから聖に笑われちゃったじゃない」
「だ、だって山田くん来るなんて思わないから!って何でお母さんが聖って呼んでんの!?」
「え?いいでしょ~。なっちゃんて呼んでもらってるの♪」
「ガーンッ!」
ガーンッて。口に出して言うなよ。
二人の会話と、百面相する柚希の表情が面白くて笑いが止まらない。
そんな俺を見て、微笑むなっちゃんとさらに膨れっ面になる柚希。
ほんと、似すぎだよこの親子(笑)。
「じゃ、柚希も起きたしお母さんはおいたまするわね。聖、ごゆっくり~」
「はい、ありがとうございます」
なっちゃんが部屋を出ると、まるで台風が去った後みたいに静かになった。
ベッドの上で縮こまり、必死に布団で顔を隠そうとしてる柚希の元へ向かう。
柚希の座ってる横に腰を下ろすと、反動なのか小さな肩が揺れた。
「…風邪大丈夫?」
「…だ、大丈夫…」
「いきなり来てごめんね?」
「う、ううん…嬉しいけど、その…」
そうボソボソと呟きながら、布団をズラしてチラッと覗かせた瞳と目が合う。
俺の様子を伺うように、目を泳がせたり視線を絡ませたりする。
「…か、髪とかボサボサだし…部屋着だし…ノーメイクだし…。や、山田くんにお見せ出来ないっす」
言いながら頬を染めて、恥ずかしそうにまた布団で顔を隠す。
ノーメイクって。言われなきゃ気付かなかったんだけど。
いつもはお団子で上げてあるブラウンの髪も、今日は下ろされてて。
余計に幼く…というか、小動物に見える(笑)。