クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


近すぎず、遠すぎず。


ただ、誰かに傍にいて欲しい時に限って隣にいるんだ。


それも、ただいるだけじゃなくて。

必ず正しい道への答えを、俺に分からせてくれる。


何でそんなに支えてくれるのだろうか。

何でそんなに見守っていてくれるのだろうか。


ずっと気になっていたけど、告白されてその答えが出た。


六花ちゃんは俺が立本を好きだと知りながら、想ってくれていたんだって。


でも、だからって立本がダメだから六花ちゃん、なんて出来なくて。


俺は自分の気持ちが不透明なまま、六花ちゃんの告白を断った。


それから、六花ちゃんとはあまり話していない。


話す時も、必ず六花ちゃんが話し掛けて来た時だけ。

俺からは無い。


こんな俺を、六花ちゃんはどう思っているのだろうか。


それが、気になって仕方ない俺はどうしたらいいんだろうか。




「…悪い。わかんねぇ」


「そっか…。どうしようかなこれ…」



………?

立本が握り締めていたのは、白い封筒。


直感した。恐らく六花ちゃんへのラブレターだ。



「それ…」


「さっき後輩の男の子から六花ちゃんに渡してくれって頼まれて。早い方がいいかなって思って探してるんだけど…」



六花ちゃんに、男から。


……あー…くそ、何だこれ。

訳わかんねぇよ、何でこんなに気になんだよ。



「…立本、それ貸して」



気付いたら、口が勝手に動いてた。

立本に手を差し出し、見つめる。



「俺が渡しておくよ」


「え、松川くんが?」


「…六花ちゃんに、渡せばいいんだろ?」


「うん。じゃあ、お願いしようかな」



よろしくね、と言って、立本は俺に手紙を渡すと行ってしまった。


……何してんだ俺。


心の中で呟きながら、足を動かした。



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