クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
俺は握り締めていた手紙をそっと後ろ手で確認し、チラッと六花ちゃんを見た。
絡まった視線にビクッと肩が揺れる。
「?」
「あ…えっと…これ」
「…?」
おずおずと差し出した、別名ラブレターという名の後輩からの手紙。
あまりにも力を入れすぎたせいか、少しシワが出来ていた。
六花ちゃんは俺の手からそれを受け取り、宛名や差出人名を確認すると、少し目を大きくして俺を見た。
「これ…」
「…た、立本から預かった。後輩の男から六花ちゃんにだって」
「…そっか…」
あ………。
その時、六花ちゃんが微笑んだ。
俺がフった時と、同じ顔。
泣きそうなのを、必死で堪えてる強がった笑顔。
……何で?
俺は一気に混乱して、六花ちゃんから目を反らして俯いてしまった。
「…ありがとう、わざわざ」
「…う、うん」
「じゃあ…わたし、行くね」
フワッと、六花ちゃんの香りがして。
いつも気付けば傍にあった、優しい香りがして。
それが横を通り過ぎた瞬間、俺は反射的にその腕を掴んでいた。