クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


身長は170くらいだろうか。

160の私が少し見上げて丁度いいくらいだった。



「そうだっ!三橋くんがいるじゃない!」


「はい?何がですか?」



両手をパンッと叩いて笑顔で言う店長さんに、三橋くんと呼ばれる彼は苦笑いした。

チラッと覗かせた八重歯が、何とも特徴的。



「あなた今日はウェイターよね?」


「あ、はい。そうですけど」


「じゃあこの子にレジの打ち方教えてあげて。今日入ったばかりなの」



そう言って私に視線を向けた店長さんに続き、三橋くんも私を見た。


ペコッとお辞儀すると穏やかな声が返ってくる。



「わかりました。よろしくね、えっと…」


「あ、美喜です。熊谷美喜」


「美喜ちゃんか!俺は三橋翼です」



ニッコリ無垢な笑顔。

少し垂れ目の瞳が、さらに垂れて幼く見せた。


ライオンみたいな八重歯と、仔犬みたいな笑顔。


両方あわせ持つ人懐こい彼に、私はすぐに打ち解けたのだった。


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