クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
それからと言うもの、私はバイトが楽しみで仕方なかった。
週4日入れているバイトは、そのうちの3日、三橋さんと時間が被っている。
何ともまぁ、それが正直に嬉しい私。
三橋さんは同い年で、学校は男子校らしい。
そこにまたビックリで、年上かと思ってたって言ったら『童顔って言われるから嬉しい』なんて無邪気に喜んじゃって。
その姿もまた、仔犬みたいで可愛いと思った。
少々つっぱり気味の私の性格だけど、三橋さんのおかげで、他の店員さんともすぐに打ち溶けることが出来た。
さらに三橋さんは私が間違えてオーダーしてしまったのを庇ってくれたり、お客さんの対応に困っている私を何度も助けてくれた。
本当に色々お世話になっている。
そんな優しい三橋さんに、最近は心臓が落ち着かない。
気付けば目で追っていて、彼が笑う度に胸がキューンって音を立てる。
それを友達の柚希に話したら、『風邪?』なんて返ってきて。
まぁ柚希は初恋もまだだし、恋心なんてわかんないか。
…………ん?“恋心”?
「っと、美喜ちゃん危ない!」
「……へ?」
「…ふぅ。セーフ」
あわわわわ。
ボーッとしていた私は前を見ておらず、コーヒーを運びながら柱に一直線だったようだ。
コーヒーの乗ったおぼんを三橋さんが支え、私の体ごと引き寄せる。
その近い距離に、一気に体中の体温が上がり心臓が暴れ出した。