クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
一通り教室内を掃いて、ゴミを拾ってゴミ箱に捨てる。
…あ、そういえばかっぱ先生がゴミ出ししといてくれって言ってたっけ。
確かにけっこう溜まってる……き、汚い。
ゴミ箱からゴミ袋を引っ張り出し、端と端を結んで…と。
ゴミ置き場へGO!
一階の渡り廊下を歩いていると、聞こえて来た的を射る音。
あ…そっか。渡り廊下の横って弓道場か。
「キャーッ!山田くんカッコいい~ッ!!」
叫ばれた名前に心臓が跳ねる。
弓道場の入り口が開いているから、中の声が漏れてるんだ。
山田くん……あたしも見たい。
こっそり覗けばバレないんだろうけど、山田くんは勘が鋭いからな。
もしバレた時のことが怖い。
あたしはなんとか、今すぐにでも弓道場へ駆け込みたい衝動を抑えて、ゴミ置き場へ向かって再び足を動かした。