クールな彼が好きすぎて困るんですが！！

告白と駆け引き

『スミレ先輩、やっぱり心配なんで俺送ります』




そう言った時の山田くんの表情は、恋する乙女ならぬ恋する男子だった。


伊吹先輩を見つめる真っ直ぐな瞳は、あたしに向けられたことの無い色を放っていた。



届かない。

けれど好きで好きでしょうがない。

そんな瞳。



そう、あたしと同じ――――…。







「柚希ー？」


「…えっあっ…ごめん。ボーッとしてた！」



ハッとして慌てて笑うと、美喜ちゃんは頬を膨らませた。



「最近柚希ボーッとしてばっかり」


「え？そ、そっかなぁ～？大丈夫だよ？」



あはは…と笑ってみせるも、嘘が下手なあたしの嘘は、美喜ちゃんには通じなかった。



「無理してんのバレバレ。辛いなら言ってよ。どうして悪くない柚希が悩む必要があるの？」


「…美喜ちゃん…」