Level 36.
4.
程なくして運ばれてきた料理に箸をつけた。
何、これ……。
出汁や小技はもちろん効いているが
それだけではない何か。
母の手料理を思い出させるような優しい料理。
料理に対して優しいという表現は可笑しいかも知れないが
他に言葉が見つからない。
「すごく……、美味しいです」
料理を、言葉を、噛みしめるように呟く悠希に
柴田はゆっくり頷き、悠希が自分と同じように
料理を優しいと言い喜んでくれた事を嬉しく思った。