Level 36.

 いつの頃からか、柴田が食事に誘うようになり
 週に一度位のペースで仕事帰りに夕食を共にしている。


 いつもなら前日には声を掛けていた柴田が
 あんな誘い方をするのは珍しい。


 悠希は一体何事かと気になりながらも
 午後診が始まると忙しさは容赦なく
 仕事が手につかないなんて言っている場合ではなかった。



「ふぅっ。今日も忙しかった……」



 仕事が終わった途端に思い出す。

 はじめは怒られるのかと思ったものの
 いつもと違うように思えた柴田の様子が悠希の足を速めた。


 着替えを済ませてバッグから携帯を取り出す。



『お疲れさまでした。
 着替えを済ませました。
 駐車場に行けばいいですか?』


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