Alice-浮気女の決意-
バタン……
空き部屋のドアが閉まる。
「ありがと、ルイ」
あのときルイが助けてくれず、この部屋に連れてきてくれなかったら、あたしは火炙りにされていたかもしれない。
「あぁ」
息を整えたルイと目が合う。
その瞬間、思わず逸らしてしまった。
「……黙ってて、悪かったな」
「気にしてないよ」
多分、王子だと言うことを黙ってたから、申し訳なく思ったんだろう。
「白雪姫さんと、仲良くね??」
「あぁ」
他に言いたいことはたくさんあるのに。
多分ルイとゆっくり話せるのはこれが最後。
だからか、頭がいっぱいで何も出てこない。