K・C
 中でも一番偉い感じの人が一歩前に出た。

 歯学部長の右京先生。

 
 説明会の中で一番巴枝の印象に残ったのが、この右京先生だった。

 白髪をオカッパ風に伸ばし、でもその髪型がなんともしっくりしていて、この人は学者です!っていう雰囲気をかもし出していた。そして話すときは、誰に対しても丁寧でゆっくりだ。

 
 「右京先生のお言葉です」

 進行役の先生が紹介すると、先生はゆっくりとマイクに近づき一息ついて辺りを見渡した。今までざわついていた教室の誰もが口をつぐむ。
この人の話は静かに聞かなくてはいけないと皆が思ったのだろう。
そういうオーラを持つ人だ。


 彼が最も印象に残った理由は彼の新入生への言葉だった。


 



 


 
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