K・C
 「入学おめでとう!私は歯学部長の右京です。君たちが学年が上になって行くに連れて接する機会が増えると思うがその時はよろしく。
君たちは、歯学部生として誇りを持ちなさい。でもそれは決してオゴリとは違うものです。君たちは歯学部に入ったというだけで、歯科医になったつもりになっているかもしれない。だが、君たちはまだまだ歯科医のタマゴにさえなれていない。まだタマゴにもなれていないという事を肝に銘じてこれからまずはタマゴ、そして将来は立派な歯科医になれるように勉学に励んでもらいたい。これが私の新入生に贈る言葉です。」


 新入生のほとんどが右京先生の言葉に驚いた。


 「タマゴにすらなっていない」!?


 ・・タマゴ未満・・・


 タマゴの前って・・・この世にまだ存在してもいないってこと?


 でも確かにかれの言葉は正解だった。

 
 歯科の世界の右も左も分からない新入生。
 それはやっぱりまだタマゴにすらなれていないのかもしれない。
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