K・C
 大学に入ってから一番の仲良しになっていたキョンが心配そうな顔してそばにいた。


 「え!?キョンどーしたの?ここ何処?私寝てた?」


 予想外に倒れた記憶のない私に、キョンは相当驚いたらしい。安堵もあったのかもしれない。キョンは私の肩を3回叩き、泣いてまった。


 私キョンを泣かせちゃったの?


 実習室で流血騒ぎを起こして、担架で付属病院に運ばれた私にはこの現状がよく分からなかった。


 「児玉ー。もう今日の実習終わったぞー。今日はこの後授業無かったろ?」


 私とキョンの班の担当ライターの先生が医務室に顔を覗かせた。


 「お!木村気付いたか?児玉ったら自分も倒れそうな青い顔してお前に付き添ってたんだぞ!友達大事にするんだぞ!」



 相変わらずデカ声のセキ先生は嵐のように去っていった。 
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