K・C
 中から厳しそうな女の先生が出てきた。否、出てきてくださったって感じに登場。

 
 「あー。あなたね。セキ先生がお待ちよ。だいたい放課後までって言われて放課後に来るなんて。」


 え!?放課後までっていうから・・・今日中に行けばいいんじゃないの?一応期限守ってるよ?


 もうちょっと前に来れば良かったかなと思いながらも部屋の奥に入る。


 どうやらセキ先生は講師らしい。U大の場合、教授、準教授、講師までは個人の部屋があてられ、その他の助教、助手などは医局室に机を並べている。


 「おー。木村傷の方はどうだ?」

 「あ、昨日手当をして頂いたんで・・・出血の割に傷は浅かったみたいで大丈夫そうです。ご迷惑お掛けしました。」


 「(笑)いやー。毎年石膏じゃなくて自分の指切っちゃうヤツいるんだ。去年なんか、2・3日入院したヤツいるぞ。(笑)」


 「で、木村の実習なんだけどな。まあ、その分だと来週の実習までには包帯も取れて出来るだろう。左手だしな。ただ、やっぱり実習遅れちゃったんだよ。だから、お前は来週人の1.5倍速でやれ!いいな?」
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