BLOODMOON~あやかしの蜜月~《ベリカ限定SS》
幸い、後ろ姿で、私はホッと胸をなで下ろす。

そのカッコで、電話に出るのは不自然極まりないけど、急な電話だから仕方がない。

しかし、昨日まで男を知らなかった私には刺激が強い。


知弥は惜しげなく鍛え抜かれた躰を晒し、電話を続ける。


知弥の肩甲骨辺りに私の爪痕が残っていた。痕は鬱血したような感じで赤い線が出来ていた。


繋がりあった時、あまりの激痛に私は知弥の背中に爪を食い込ませてしまった。


知弥の背中の痕で私は昨日の夜を思い出した。






「・・・」


電話が終わったのか…突然、私の方を振り返った。



「きゃあああ~っ!!」
私は大慌て、布団を頭から被り、隠れ込む。


「騒がしい…花奏…急な仕事が入った…俺は出かける…残念だが…甘い遊戯は夜までお預けだ」



布団越しに知弥の声を訊く。



私は顔だけ出して、知弥の顔を見た。


知弥の顔が私の至近距離にあった…









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