夏に、恋をした。


「見てたらわかる。桜田はいつも、一番一生懸命で…」



頑張ってる、と杉宮は言った。




――――見ててくれた…




「教室からいつも見てた。だから、嫌でもわかっちゃう」


この彼女は、俺がほしい言葉をくれる。

だから、好きになったんだ、きっと。


屋上で見た杉宮。



その表情に惹かれ、
話を聞いてくれた優しさに惹かれ、

全部に惹かれたんだ。


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