夏に、恋をした。


だけど、それだけで伝わった。



「雪乃のおかげ」



ニカッと笑う和樹。

「…あたしのおかげなんかじゃないよ。和樹が頑張ったから」


そう言うと和樹は首を横に振った。




「試合中、頑張って、って言っただろ。あれで落ち着いた」




「聞こえてた!?」


けっこう小さな声だったはずだけど…。


「なんでか知らないけど。ま、だから雪乃のおかげ」


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