夏に、恋をした。
けっきょく、試合の結果はこう。
準決勝、ゲームカウント4対2で勝ち。
決勝、ゲームカウント4対1で負け。
つまり、2位。
負けたけど和樹は笑ってあたしのところに来た。
「いい試合した」
確かに、和樹は自分のできる限りのことをした。
だから後悔はないらしい。
「来てくれてありがとうな」
改めてそう言われる。
「…何かほしいものある?」
お祝い、と付け足すと和樹は少し考えてからニヤリと笑った。