夏に、恋をした。


人の群れを割ってあっという間にあたしの前まで来る美山先輩。


「久しぶりだな!ちょうど会いたいと思っていたんだ」


会いたいって何が?

なんで、今さらあたしに?



先輩はあたしの耳元に口を寄せた。




「さらにいい身体になったな?」




そうやってあなたはまた、あたしを裏切るのね…。


囁かれた瞬間、身体が強張った。


先輩はニヤニヤしている。



が、


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