夏に、恋をした。


「…美山先輩、言いたかったんだろうな」



桜田がポツリと呟いた。

あたしも頷く。


――――やっぱり嫌いになれるわけがない。


「…桜田」

「ん?」


言っていいことなのか、悪いことなのか…。


「その…、さっきのは…」

桜田の顔が一気に赤くなった。
手を上げ、あたしの言葉を止めながら。


「ちょっと、ストップ」


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