桜並木の下で 上 ~四月から九月~
~京SIDE~
めんどくさい奴。
京は、ベッドの上で顔を隠しているルームメイトを睨んだ。
何やってんだよ。
いつもはチャラいくせに、何で恋愛になると人一倍、シャイになるのか。
「お前、シャイだよな」
ルームメイトは、決して否定しなかった。
ま、肯定もしていないが。
言い返す気力さえないのか、
あるいは無視しているのか。
いずれにせよ、これがシャイであることに変わらない。