桜並木の下で  上 ~四月から九月~


 私の…バカバカ!


 何だって、アイツのことばっかり考えているんだろ。


『俺に惚れんなよ』


 誰が、惚れるかっつーの!!!


 なんて思ってたのに…。

 何で今、頭の中にアイツがいるわけ?


『絶対に、惚れないんだから!』


 言ったそばから、私…アイツに…?




 惚れてるの?



 まさかね。

 だって、アイツ、失礼じゃない。


 惚れたって、得はしない。


 私は、あんな奴…

 タイプじゃないんだから。



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