桜並木の下で  上 ~四月から九月~




 私が、寮でパジャマに着替えていると、ドアが開いた。



「あ、凛!おかえり」



 私の声に、凛は、何も言わない。


 どうしたんだろ。



「凛?どうしたの?」



 すると、凛が、涙をこぼした。



「私、振られちゃった。雷斗、他に好きな子いたんだって…」



 他に、好きな子?


「それ、誰なの?」


「奈美、驚かないでね」



 よほど、意外な人物だったとお見受けしますが。



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