桜並木の下で  上 ~四月から九月~






「君に、好きな子はいるの?」



 

 え?



「僕は、君のことが、好きだ」



 …翼のことを話そうか、迷った。


 でも、結局、話せなかった。まだ、私自身認めたくないことだから。



 話すことが、できなかったんだ。




「まだ、好きな子はいないの」



「じゃあ…」



「でも、あなたの気持ちには答えられない」



 私、何言ってんだろ。怪しまれちゃうじゃん。



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