桜並木の下で  上 ~四月から九月~



「バカ!そんなんじゃ、ないんだから!」



 私、大声で。



「雷斗くん、話って、それだけ?なら、私、帰るから!」



 私は、逃げるように、その場を離れた。



「入江!一つ言っとくとさ、その恰好やめとけ!」



 翼に言われて、私は立ち止まる。



「は?」



「制服の、第三ボタンまであけとくの、やめろ」



 何でよ?



「やめねぇと、襲うぞ」


 お、おそ…!?


 

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