桜並木の下で  上 ~四月から九月~





 翼が、私を離した。




「お前って、冗談つうじねぇのな。冗談通じないと、モテないぜ?」





 は?



「冗談なのに、ムキになっちゃってさ、顔真っ赤」




 私は、顔を触った。



 わ、むっちゃ熱い!!



「可愛い」



 は?



「冗談ばっかり、うざい」



 私は、翼をにらんだ。



 えっと、これでいいんだよね?



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