桜並木の下で  上 ~四月から九月~





「ま、いいか。俺、帰るわ」



 翼が立ち上がる。




「明日も来るから」


「来なくていい!つか、来るな!!」



「ほら。また、冗談に本気になってるよ」



 あ。



 なんでかな。翼と話してると、あいつのペースに乗せられる。




「とにかく、明日は忙しいから。来ないでね!」




 私は、あっかんべをした。



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