桜並木の下で  上 ~四月から九月~




 京SIDE


 俺が部屋に戻ると、部屋に見覚えのない鍵が転がっていた。



 四葉のクローバーのついた鍵。




「それ、ガールフレンドの家の合鍵か?」



 冗談で聞いてみる。



「ッ。んなわけ…」


「あるね。だって、お前ら、最近仲良しじゃん。あれ、やったの?」



「一つ言うと。俺、そういうの、勇気ないから」




 嘘だな。



 この前泣いてたあれはなんだよ。



 あ、でもあれは失恋からのショックか?




 
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