桜並木の下で  上 ~四月から九月~





 私は、翼を殴って、布団を出た。



「な、奈美!その恰好で布団出るな!!」



 翼が言う。



「あ。監督先生に聞こえても知らない!」


「奈美、ほんと、やめて」



 翼が、そっぽを見た。




「下着姿、エロすぎるから。さっさと服着ろよ」




「アンタが来なきゃいいんでしょ!?」




「じゃ、明日からはピンポンするわ」



 あ、そうだ。翼、どっから入ってきたのかな。



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