桜並木の下で  上 ~四月から九月~



 私の席番は四番。前の方だ。

 座ると、隣に座っているのは青髪。さっきの奴だ。

「俺、石倉京(いしくら きょう)。よろしくな」



 随分となれなれしいけど、不思議といやじゃない。


「私は入江奈美(いりえ なみ)」

「知ってるよ、君、大塚凛(おおつか りん)と仲良いんだろ」


 京が、微笑む。


「うん。小学生のころからの親友なんだ♪」

「ふーん」


 そのとき、ステージに校長先生が立った。

 一斉に、会話が止む。


 すごいよね、先生の威圧感。

 でも、言っちゃ駄目なんだろうけど、もう少し、頭にインパクトが…欲しい、よね。


「先生の髪、また薄くなったよな」

 京が、私に囁いた。

「…うん」









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