桜並木の下で  上 ~四月から九月~




 声だけで、わかった。



 絶対に、奈美だと。




 けど、今の俺には奈美の肩を抱いてやる資格なんてないし。



 第一、俺はあいつに嫌われているから。




 慰めるなんて、叶わなくて。




 俺は、律を連れて、ボスや奏と約束した店へ向かった。




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