先輩の愛で溶けちゃう -夏休み短編-
「今から、俺の彼女にしてやる」
ミーンミンミンミン
キューンキュンキュンキュン
セミの声までも心地良く聞こえる。
今、何と?
へ??
聞き間違いですよね。
私の妄想ですよね???
「聞いてる?みいのこと、彼女にしてやるって言ったんだ~よ」
速水先輩の手が私の頭の上に……
汗ばんだ私の髪の毛に触れた速水先輩は、太一兄ちゃんのような優しい眼差しで。
「優勝したら彼女にしてやる、なんて甘っちょろいことは言わない。彼女にしてやるから、絶対優勝しろ。いいな?」
ドSな速水先輩からの、ドSな告白。
私は鼻血が出ちゃうかと思うくらい興奮していて。
夢なんじゃないかと錯覚してしまって。
もう、何が何だかわからない。