先輩の愛で溶けちゃう -夏休み短編-
「俺の彼女になるってことはどういうことかわかってる?」
真剣な表情をした速水先輩が語り出した。
速水先輩が彼女を作らなかった理由。
それは、“俺に彼女ができたらクーデターが起こるだろ?”だそうだ。
なるほど。
確かに、女子部員みんなが泣いちゃうと思う。
だから、絶対に内緒。
私と付き合っていることは絶対にバレちゃいけない。
毎朝、部活の前の10分と、部活の後の10分だけ隣の棟の理科室で会うことになった。
それ以外は、今まで通り先輩と後輩として。
「あ、それと…… 優勝できなかったら別れるから」
どこまでもドSな速水先輩でありました。