先輩の愛で溶けちゃう -夏休み短編-
「こら、なつくなって言っただろーがっ!!」
手に持っていた楽譜で私のおでこをポンと叩く。
突き刺さる視線。
速水先輩は、1年から3年まで部員みんなの憧れでありまして。
それでいて、気さくで。
で、勉強もめちゃめちゃ出来る完璧な先輩なのです。
でもって、
笑顔がチャーミングなジャニーズ系男子でありながら
ドS要素も兼ね備えた、“モテるに決まっている”男の人なのです。
「佐武、カーテン閉めて」
「はいっ!!」
私、佐武美織【サタケミオリ】は、速水先輩と結構仲が良い後輩でありまして・・・・・・
それゆえに、毎日ちょっと肩身の狭い想いをしております。
ほらね。
今も、3年の先輩が私をにらんでるでしょ。
だけど、この関係だけは崩したくない。