先輩の愛で溶けちゃう -夏休み短編-
満月になるかならないかの微妙な丸をした月。
まだほんのり明るさの残った空を見上げる。
「明日のこと、緊張してんじゃないかなと思って」
速水先輩は、目を合わせずに歩きながらそう言った。
なんだかんだ言っても優しいのが先輩なんです。
「心配して来てくれたの?」
「ま、それもあるけど」
「他にも何かあるんですか?」
「俺も緊張してたから。みいの顔見て、リラックスしようかと思って、さ」
泣いちゃいそうです。
先輩……
本当に好きです。
今日の速水先輩は、真面目というか。
なんだか、いつもと違う。