先輩の愛で溶けちゃう -夏休み短編-






満月になるかならないかの微妙な丸をした月。



まだほんのり明るさの残った空を見上げる。






「明日のこと、緊張してんじゃないかなと思って」





速水先輩は、目を合わせずに歩きながらそう言った。



なんだかんだ言っても優しいのが先輩なんです。







「心配して来てくれたの?」



「ま、それもあるけど」



「他にも何かあるんですか?」



「俺も緊張してたから。みいの顔見て、リラックスしようかと思って、さ」







泣いちゃいそうです。


先輩……


本当に好きです。





今日の速水先輩は、真面目というか。




なんだか、いつもと違う。







< 26 / 47 >

この作品をシェア

pagetop