先輩の愛で溶けちゃう -夏休み短編-
「演奏会の後は、俺と一緒にいろ。いいな?」
超ドS口調の速水先輩にドキドキが止まらない。
引退の日に一緒にいられるなんて、嬉しいけど……私でいいのかな。
3年のみんなと一緒にいなくていいの?
「寂しいのはお前だけじゃないから」
速水先輩は、少し切ない表情でそう言って、私に手を振った。
そうだよね。
一番寂しいのは、引退しちゃう3年生だ。
私達は、元気いっぱい見送らなきゃ。
そして、安心してもらえるように、これからも頑張らないといけない。