先輩の愛で溶けちゃう -夏休み短編-
「俺さ……」
絞り出すような声。
「俺、弱いからさ……」
見たことのない速水先輩だった。
「寂しくて仕方ないよ。ずっとみんなとここで笑っていたいよ」
速水先輩は強い人だと思っていた。
誰よりも輝いていて。
誰よりも人気者で。
怖いものなんてないと思っていた。
「でも、みいがいるから……大丈夫だよな」
そう言って、やっと目を合わせてくれた。
濡れた瞳がとても綺麗だった。