先輩の愛で溶けちゃう -夏休み短編-
こうして、私と速水先輩は、少しだけ“トクベツなカンケイ”になれたんだ。
でも、ふたりが幼なじみってことは絶対に内緒で。
“誰にも言うな”と釘を刺されたんだ。
太一兄ちゃんなんて二度と呼ぶな!って怒られたんだけど、二人きりの時は時々呼んでいたりするのです。
そのたびに“お前!ゆるさんからな”って怒るんだけど、その口調が昔の太一兄ちゃんとおんなじで、なんとも懐かしいの。
だから、わざと呼ぶ。
二人きりの時だけのお楽しみ。
速水先輩目当てで入部した吹奏楽部だけど、今では熱血部員でありまして。
コンクール入賞を目指して日々頑張っているのであります。
我が校は結構優秀で。
優勝したこともある実力なんだよね。