神様修行はじめます!
ひんやりとした指。

その指があたしの涙を拭いている。

熱にほてった頬に当たって、気持ちいい。


両目から次々と流れる涙。

それを追うように拭き続ける冷たい指。


誰?・・・ごめんね。

涙、止まらないんだよ・・・。


ひんやり。

冷たいね。

冷たいのが心地良い・・・。


頬の上を滑るような指の動き。

なぐさめる様な、いたわる様な。


冷たいのに温かい。

そして優しい。

なんて不思議な指先。


まるで泣く事を認めてくれているようで。

泣いてもいいと言ってくれているようで。



安心して泣ける。

独りじゃないもの。



甘えるようにいつまでも流れる涙。

頬の上を優しく滑り続ける指。


そのおかげであたしは・・・



じー様の死を、初めて本気で泣いて悲しむ事ができた。

< 119 / 495 >

この作品をシェア

pagetop